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抗生物質を生理食塩水で溶くのか5%ブドウ糖で溶くのか

みなさんなんとなく抗生剤は生食で溶いていませんか?

 

実は5%ブドウ糖液で溶く方法もあるのですが意外と使われていません。

というかホントはブドウ糖で溶くべきところで生食で溶かれている場合が多いです。

 

人間の塩分必要量は1日最低3g程度です。

10gも取ると塩分過多で高血圧の原因になったりします。現実的なところ、1日7gくらいを摂取目標としているかと思います。

 

では生理食塩水です。こちらは0.9%の食塩水ですので、1000mlでなんと9gの食塩に相当します。高度の脱水で生理食塩水や細胞外液を投与しますがこれくらいの塩分量になってしまうことを頭に入れておきましょう。

 

ソルデム3A 500mlですとNaが17.5mEqですので食塩で1g相当の塩分になります。

ソルデム1 500mlだと45mEqですので2.5gくらいの塩分になります。

 

絶食として点滴が1日1000ml、ソルデム3Aとします。するとこの時点で食塩は2gはいります。

くわえて抗生剤を100mlで溶いて1日2本入れるとなると1.8g相当の食塩になります。

そして、例えばユナシン1.5gにはナトリウムが5mEq入っていますので高齢者で若干腎機能が悪い方では3gを2回という使い方になります。すると20mEqになるのでこれでも塩化ナトリウム換算で1gを超えてしまうのです。

 

となるとこの時点で食塩が5g近く入ったことになり一日の必要量を満たしているのです。

おまけにPPIを生食で点滴してみたりすると一気に塩分は増えます。心不全の人にとっては致命的です。

 

こういうときに出番なのが5%ブドウ糖なのです。

ナトリウムが全く入っていませんので塩分を気にする必要がありません。

絶食の重症患者さんで抗生剤+PPI+利尿薬などで一気にナトリウム量が増えないよう気をつけてください。

 

ブドウ糖で希釈できない薬は

アンピシリン

フェニトイン

エダラボン

くらいです